カメラの向こう側
第96回 霞ヶ浦「観光帆引き船」 (2019/09/17)
皆さんこんにちは!牟田祥子です。私はいま一年365日を通して毎日放送のある朝のラジオ番組「マイあさ!」市民リポーターを担当しています。年に数回、茨城県の話題をお伝えしています。
7月下旬に、初回の出演がありました。お話した内容は、明治から昭和40年ごろまで霞ヶ浦の漁に使われていた帆引き船について。トロール漁業が盛んになり、帆引き船漁は衰退してしまいましたが、帆引き船の姿をもう一度見たい!という地元の皆さんの声で復活したのが「観光帆引き船」です。毎年7月から12月ごろまで見ることが出来ます(かすみがうら市、行方市、土浦市のそれぞれで運航。スケジュールなどは事前にお問い合わせください)。
私は今回初めて帆引き船を見学しました。同じ見学用の遊覧船には、栃木県からの観光バスでやって来た70名ほどの見物客もいて、その人気ぶりを感じました。まだ梅雨明け前のその日、雨が降ってしまうと出航できないと聞いていましたし、風も若干強かったので祈る思いでしたが、乗組員の皆さんが頑張って下さり、無事に運航!帆が綺麗な「C」を描く帆引き船を見ることが出来ました。とっても美しかった!
事前取材では、船の運航がかなりの体力を使う大変さも伺いました。風の強さや向きを読みながら、帆を上げたり下げたり、雨が降れば帆を畳み入れます。帆はかなりの大きさなのでとても重く、相当な腕力、体力が必要なんだとか。屋根のない船ですから、夏の炎天下での運航は、過酷です。それでも観光客の期待に応え、頑張ってくれているのですね。現在乗組員の方は、一番若い方で28歳、一番のベテランの方で70代。昨年、無形民俗文化財に指定されたこともあり、課題は後継者育成だそう。土浦市では、帆引き船の魅力を知ってもらうため、年に2回、帆引き船の模型工作教室を開催しています。興味のある方、ぜひ参加してみてください。
この仕事をしていて思うのは、世の中本当に自分が知らないことばかりなんだなということ。きっかけは取材でしたが、今後も身近なことから広い世の中のことまで、好奇心旺盛であり続け、皆さんにもお伝えしていきたいと思っています。
◎このコラムでは、つくばのケーブルテレビACCSのスタッフより、放送現場の話題をお届けしていきます!