ちあきの星空コラム
第176回 惑星をみつけよう (2018/03/01)
夕空に水星と金星を見る
3月に入ると金星は宵の明星として、宵の空(夕空)に見えるようになります。
方角は西空の低空ですが、3月16日前後には水星も一緒に見られます。
位置は、下図(星図)に示していますが、ほぼ真西ですから図を参考にしながらさがしてみましょう。
星座をかたちづくる恒星がまだ見え始める前からこの2星だけが明るく、先に輝きますから、案外、みつけやすいともいえます。
カメラに三脚を取り付けて固定し、写真を撮ってみましょう。オート(自動露出)でも撮れるかもしれませんね。
明けの空に木星、火星、土星を見る
夜明け前の午前4時頃に早起きして南の空を観察すると、-(マイナス)2等級の明るさで木星が輝いているのがわかります。
明けの空では実は、惑星は3個見られるのです。ひとつはてんびん座の中にある木星。次にいて座の中に今年の7月31日に地球に大接近する火星が赤い光で輝いています。すぐにみつけることができることでしょう。
また、いて座の中には土星も輝いていますので、南の空がとても賑やかです。
これらの惑星が夏休みには宵の空に見られるようになってきますので、夏休みの天体観望会などでは天体望遠鏡で3個の惑星を一気に見られるかもしれませんね。
この惑星を、月と共に先月、撮影しました。次に3月の様子のシミュレーション図とともに2月12日撮影の写真をご披露いたします。
3月の星空
3月の星空は、夕空に見られた冬の星座が徐々に西の空に沈んでいき、午後9時頃には春の星座が見えてきます、
おおぐま座のしっぽに当たる北斗七星から南にたどっていくと、うしかい座のアルクトゥールスをみつけることができ、さらに南まで目をやれば、おとめ座のスピカにたどり着くことができます。
真冬ほど寒くない季節ですから、星図を片手に星座をさがしてみましょう。
3月の天文情報
3月の星図
南の星空
北の星空
田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ
子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。
この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。
最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。
主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。