カメラの向こう側
第54回 つくばエクスプレス開業10周年 (2015/10/20)
つくば市と東京・秋葉原を最短45分で結ぶ、「つくばエクスプレス(TX)」が、8月24日で開業10周年を迎えました。開業日の早朝、つくば駅で行われた一番列車の出発式を取材したのが昨日のように思われます。
TXは、JR常磐線の混雑解消や新たな住宅供給を目的に、沿線の4都県と、つくば市を含めた11市区、企業などが出資した「首都圏新都市鉄道」が運営しています。
10年前の出発式で、市原健一市長は「(TXは)夢と希望を乗せて走る。そして地域に限りない可能性を運んでくる」と期待を寄せました。
開業前は都心に人が流出する、いわゆる“ストロー現象”が懸念されました。しかし、実際に開業してみると、TX利用者は年々増加して開業3年後の2008年度に営業黒字化を達成、09年度は1日平均輸送人員27万人の目標を1年早く実現しました。昨年度は平均32万6千人にも膨れ上がっています。
こうした背景には、TX沿線の人口増加が挙げられます。県内では沿線開発が進み、住宅地やマンションの建設が行われています。多くは首都圏からの新住民で、県内でも沿線のつくば、守谷、つくばみらい3市の人口増加は顕著です。
今年、科学万博開催から30年、つくばエクスプレス開業から10年の節目の年となったつくば市。TX開業以前は「陸の孤島」と揶揄されたこともありましたが、TXが20年後、そして30年後、つくば市にどのような夢と希望を運んでくるのか、楽しみです。
番組制作 小野 省治
◎このコラムでは、つくばのケーブルテレビACCSのスタッフより、放送現場の話題をお届けしていきます。