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ちあきの星空コラム

第110回 天が高い秋の星空 (2012/09/05)

澄んだ星空

9月になると夏の星座から秋の星座へ見える星空が移行していきます。大きな高気圧が張り出す良いお天気の時は天(空)が高く感じられ、澄んだ星空が見られます。
秋には秋の星座が見られるといっても一晩中同じ星座が見られるわけではなく、日周運動のため、時間の経過とともに見られる星座が移り変わっていきます。
私たちが通常、夜空を見上げようとすれば、就寝する前の夜空ですから、このコラムでは毎号午後9時ころの星空を前提として解説しています。
そうした意味では午後9時頃の星空では、西の空には夏の大三角をはじめ、夏の星座が見られるのですが、東の空から天頂にかけてはペガスス座やアンドロメダ座が見られ、北東の空にはカシオペヤ座やペルセウス座を見ることができます。南の空には南のうお座ややぎ座、みずがめ座などが美しく輝きます。これらは皆、秋の星座です。
次に、翌朝に早起きして明け方の東の空に注目したとしますと、そこにはおうし座やオリオン座など、冬の星座が見られます。さらに、煌々と輝く明けの明星や頭上高くには木星が輝いて見えます。
冬の星座たちと惑星の輝きは聡明な夜明け前の天界をにぎやかにしてくれ、「早起きして良かった」といわせる魅力的な星景色をつくっています。
ぜひじっさいに早起きをして東の星空に注目していただきたいと思います。

中秋の名月は9月30日

東の空から昇りくる満月

東の空から昇りくる満月

旧暦の8月15日の月を中秋の名月と呼んで、今でもススキなどをお供えして月を愛でる風習が各地で残っています。
今年は9月30日が中秋の名月にあたります。この日は満月でもありますが、夕刻の東の空から昇りくる月の姿は、赤くしかも大きく見えます。
深夜になり、天高く輝く月の光は聡明で、まち明りのある場所から月を眺めたときはよくわかりませんが、草原や畑などの広い所へ行き、月光で明るくなっている景色を見ますと、透明感と静寂な光を感じることができます。ぜひ、お月見を楽しみましょう。

金星食は見えましたか

(1)金星の潜入前写真(1時50分)

(1)金星の潜入前写真(1時50分)

(2)金星の出現写真(3時30分)

(2)金星の出現写真(3時30分)

(3)金星の出現後写真(4時23分)

(3)金星の出現後写真(4時23分)

上図は先月のコラムでお知らせした潜入、出現の様子のシミュレーション画像。8月14日は本文にあるとおり出現は見えましたが、潜入の瞬間は見ることができませんでした。

8月14日(火曜日)未明に起きた天文現象「金星食」(金星が月に隠される現象)は見られましたか?
私の住む関東地方は北西から雲が張り出し見られない地域が多かったのですが、ときどき月が雲間から顔を出す程度の恵まれない天候でした。
特に金星食の見られる午前2時40分から午前3時30分ころは、厚い雲にさえぎられてまったく月の存在すら確認できなくなったところもあったことでしょう。
私は天気予報に従い、なるべく天候の崩れの少ない関東東部に移動しようと考え、茨城県潮来市内の北浦湖岸で天体望遠鏡をセットして現象の開始を待ちました。
金星が月に潜入する予報時刻の前に地平線から月が昇り、続いて金星も昇ってきましたので、まず、潜入前の姿をとらえました((1)の写真)。その後、潜入時刻になるのを待っている間に雲が厚くなり、月の姿も金星の姿も雲に阻まれて見えなくなってしまいました。残念ながら潜入時刻のころ(2時44分ころ)は何も見ることができませんでした。しばらく月の姿は見えませんでしたが、出現の時刻になるとうす雲を通して月が見えるようになり、運よく雲間から金星の出現の様子を見ることができました。((2)の写真)。
無事、撮影を終えて機材を片付け、自宅のある龍ケ崎市まで戻る途中、コンビニエンスストアーの駐車場にて(3)の写真を撮りました。朝焼けで空が赤く染まった様子が表現されています。
金星食のすべてをとらえることはできませんでしたが、出現の様子をとらえることができ、天候不順の中でも撮影地を選び、粘りに粘って撮影することができたことを嬉しく思っています。

9月の天文情報

曜日月齢天文現象など
14.5
15.5月が天の赤道通過(北半球へ)
16.5
17.5
18.5
19.5
20.5白露(二十四節気) 月の距離が最遠
21.5下弦の月 月と木星が接近
22.5月の赤緯が最北
1023.5
1124.5
1225.5
1326.5金星がプレセぺ星団に接近
1427.5
1528.5
160.0新月 月が天の赤道を通過(南半球へ)
171.0敬老の日
182.0
193.0月の距離が最近
204.0
215.0
226.0秋分の日  秋分(二十四節気)  月の赤緯が最南
237.0上弦の月
248.0
259.0
2610.0
2711.0
2812.0
2913.0月が天の赤道を通過(北半球へ)
3014.0満月(中秋の名月)

9月の星空

9月は、秋の星座が見え始める季節ですから秋の代表的な星座をみつけてみましょう。
東の空から昇ってきたペガスス座(天馬ぺガサスの星座)のかたちづくる秋の四辺形を中心に、アンドロメダ座、うお座。南の空に見られるやぎ座、みなみのうお座、みずがめ座などをさがしてみましょう。
また、夏の星座のはくちょう座から北にかけて伸びる天の川の淡い輝きと、その中に見られるケフェウス座、カシオペヤ座、ペルセウス座などの輝きも星座早見盤や星図をたよりにさがしましょう。
空に光害が少ない場所で、しかも空気の澄んだ夜にはアンドロメダ座の中にM31アンドロメダ銀河も肉眼でみつけられるかもしれません。

9月の星空(背景黒)

9月の星空(背景黒)

9月の星空(背景白)

9月の星空(背景白)

9月中旬、午後時前後の星空です。月の位置及び月明かりの影響は省略しています。画面をクリックすると大きな星図を見ることができます。この星図は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ9」を使用しています

※お詫びと訂正:本星空コラムに毎月掲載される天文情報の表中、今年の6月から8月までの3か月間、月齢の表示に誤りがありました。正しくは下表のとおりです。お詫びして訂正します。

6月の月齢7月の月齢8月の月齢
11.111.512.9
12.112.513.9
13.113.514.9
14.114.515.9
15.115.516.9
16.116.517.9
17.117.518.9
18.118.519.9
19.119.520.9
1020.120.521.9
1121.121.522.9
1222.122.523.9
1323.123.524.9
1424.124.525.9
1525.125.526.9
1626.126.527.9
1727.127.528.9
1828.128.50.5
1929.129.51.5
200.50.92.5
211.51.93.5
222.52.94.5
233.53.95.5
244.54.96.5
255.55.97.5
266.56.98.5
277.57.99.5
288.58.910.5
299.59.911.5
3010.510.912.5
3111.913.5