ぶらり・ぶら~り
第81回 「風と共に去りぬ」とマスターズゴルフ観戦 (2011/04/26)
昨年4月、現役の頃からオーガスタのマスターズゴルフ観戦を希望する夫に、40年近く2時間の長距離通勤で頑張ったご褒美にと、準備を始めました。
オーガスタは終了直後から来年が始まると言われている。
チケットの検索から始まるが、必ず保険加入の一文字が目に入る。
なるほど少し不安を感じてなかなか購入に踏み切れない。
しかも、ホテルは何処も満室です。
なるほどマスターズは終ったそのときから来年が始まるのだ。
いろいろ検索しているうちにこれならと思われるサイトを見つける。
http://www.brytonharry.com/jp/hospitality-packages/the-masters
とりあえずメールで不明な事を質問、日本語でできる事は嬉しい。
飛行機も手配完了、一年も先を思っていましたがその日が近づきました。
しかし、3月11日の地震!出発までには3週間と思っていましたが、日に日に災害の報道に心揺れる毎日でした。一年前に支払ったチケット代他はマスターズの性質上いかなる場合もキャンセルができない事はわかっていました。支払った金額の半分でも被災地へ義援金に使えるのなら中止してもと考えていましたが、それも出来ない・・・・。
思い切って行く事に決めたのは出発一週間前でした。
世界中から集まるマスターズで観戦するだけではなく、何か出来る事は無いか?思いついたのは、一個人からだけど感謝の気持ちを伝えられないだろうか?という事でした。
英語に堪能な知人の力も借りて6種類のメッセージカードを作成しました。
カードは無料で使えるロゴをサイトから探しハートと日本地図のパターン2種類です。
可愛いマスコットは、10年前デンマークで知り合った画家からのクリスマスカードに描かれた絵です。
メッセージカードをそれぞれ10枚づつ、プラスアメリカ向けを更に10枚印刷をして持参しました。アトランタでオーガスタで「何処から?」と聞かれ「日本から」と答えると「どうですか?何処にお住まいですか?」「東京の近くです」必ず私は『大丈夫です、日本は大丈夫です、世界の方々に感謝しています』と答えました。そしてメッセージカードを受け取っていただきました。日本地図のあるカードはとても説明し易く便利でした。オーガスタで滞在しホテルではフロントのカウンターに貼付けてくれました。
4月5日~4月13日
マスターズへのアクセスはアトランタ経由が便利です。マスターズ観戦の前にアトランタで3泊しました。ここでは、ストーンマウンテンと、「風と共に去りぬ」の作者マーガレット・ミッチェル・ハウスへ行ってみたかった。
両方ともホテルからの最寄り駅は15分歩くとピーチツリーセンター駅です。
ストーンマウンテン
地下鉄、バスを乗り継ぎ11時頃には到着の予定だったが、資料が古くて結局お目当てのストーンマウンテンには昼過ぎとなった。バスを降りてストーンマウンテン公園へ到着するまで住宅街を歩いたときの、ハナミズキが美しかった。
本来の目的は、約3億年前にマグマの活動で出来た火成岩が冷やされた世界最大の花崗岩の一枚岩。スカイライドと呼ばれるロープウエイでのぼり、岩肌を歩いて下り、バス停まで戻る。歩く途中で検討をつけていたケンジントン駅行きのバスと地下鉄を乗り継ぎ、無事ホテルにたどり着きました。その日の収穫は素敵な家々とハナミズキでした。
マーガレット・ミッチェル・ハウス
ピーチツリーセンター駅から3つ目ミッドタウンで下車出口から歩いて3分の所でした。9時50分到着、10時開館ですが中へ入れました。入場料は13ドルでもシニアは10ドルでした。年をとるもの悪くはありません。
館内ツアーは10時半の券を頂きました。
日本語の案内所があると聞いていましたので尋ねると、10ページも丁寧に書かれたものでした。ツアーまで30分あるのでゆっくり読ませていただきました。ツアーにそった説明でしたので英語のツアーに大変役立ちました。
この博物館はマーガレット・ミッチェルが夫と7年間過ごした家です。1899年に建てられ、1989年アトランタで始めての国立歴史博物館に指定、「風と共に去りぬ」の生まれた場所である事を市民の多くが知る事になりました。
しかしその後1944年に至るまで、建物を補修する人も無く、風雨に曝され朽ち果てるままになっていました。1994年9月には何者かによって放火され、多くを消失しました。火事の報道後、ドイツのダイムラー・ベンツ社はこの土地を購入し、建物の修復保存工事の基金として450万ドルを提供しました。
その後アトランタ・オリンピック大会に合わせてオープンを目指しましたが、修復工事完了直前に再び放火されました。しかし、ダイムラー・ベンツ社の追加基金の供出で1997年5月に完全オープンとなったのです。
ツアーでマーガレットの生い立ちを知るうちに、「風と共に去りぬ」と重なる所が多くありました。逆境に立ち向かう強い意志が感じられます。彼女の強さは、現代の今タイムスリップしても、きっとひと際目立った女性として受け取られるだろうと思いました。
ましてやあの時代に生き抜いたことを知り驚きました。残念ながら彼女は交通事故により48才という若さで他界しました。また、彼女は子供を産む意思が無く、お二人の血を引く子供はいません。
小さな博物館ですが、気がつくとお昼を過ぎていました。
博物館のあるピーチツリー通りは昔からアトランタの目抜き通りです。
昼食後、目抜き通りを乗車したメトロの駅まで歩いてしまいました。
ホテル近くにはCNNセンター、オリンピック公園等がありました。公園の花壇を見ると緑がパセリでした。パセリは野菜と思っていましたが、花壇の一つになってもおかしくないですね。また、オリンピック公園のクーベルタン男爵のちょっとお茶目な銅像も楽しかった。
アトランタから国内線でオーガスタへ向かいます。驚いた事に、国内線では預ける荷物が有料(23ドル)です。前日ウエブチェックイン時に思わず「うそでしょ?」と思ってしまいました。私達は2人でスーツケース一つでしたので一つ分を支払うだけで済みました。
今回マスターズ観戦の申し込んだセットはチケット、ホテル、空港~ホテル~会場と送迎付です。それに加えて、ホスピタリテイといって、マスターズ会場近くの食事付の休憩所も申し込みました。3食とスイーツやあらゆる飲み物、観戦途中の休憩所です。
全米ゴルフ等はゴルフ場内に設置出来るようですが、マスターズに関しては会場内には設置出来ないという事で、会場から歩いて10分以内の所でした。暑い最中、気分転換に休憩に行くのも悪くはありませんでした。ちょっと贅沢かなと迷いましたが長年の頑張りへのご褒美と思い切りました。
という訳で空港にはお迎えがありました。運転手は女性だったのですが、彼女は学校の先生という事でした。オーガスタナショナルでは、この期間、学校も1週間お休みだそうです。そして、学校の先生や他の職業の方もマスターズ関係の仕事でアルバイトをする方も多いそうです。驚きですね。
大会のあるマスターズの会場では、月火水は練習日で携帯やカメラを持ち込んで撮れるとの事でしたが、試合のある木金土日の入場の制限が厳しく、禁止アイテムが数多くあります。
カメラ、携帯電子機器、飲み物やその容器、バック、リュックサック等々。
パーソナルバック、ウエストバック、ハンドバック等は、幅10インチ(20.54cm)高さ10インチ(12.7cm)長さ5インチ(12.7cm)以下であれば持込みが認められます。
我が家に丁度この大きさのバックがありました。チェックにこの大きさのバックが丁度入る木製の箱があります。もちろん私のバックはスポンと入ってしまいます。
2日間何度もこのチェックを受けているうちにすっかり顔なじみになりました。「見てご覧、この人のバックみたいに丁度入るのが良いんだよ」と並んでる入場者に大声でご披露させられてしまいました。
これらに違反すると、会場内からの退去とマスターズのチケットの購入を永久に放棄する事を課されられます。
幸いにも決勝戦の2日間、日本選手石川遼と松山英樹が勝ち残りました。コース地図と2人のスタート時間を見ながらアップダウンの多い広いコースを駆け回りました。声をかける事は許されないので、ただただ拍手を送るのみです。ゴルフ観戦も体力勝負です。
若い2人は良く頑張りました。最後に松山英樹がローアマチュアとして表彰を受け、日本語でのスピーチの後思わず拍手をしてしまいました。それでも振り向いた周りの人々の目は優しく日本人として誇りを感じました。
http://www.tbs.co.jp/masters/index-j.html?id=l3NmxkMjr8FPhwAyxDKB6O2XcZDbDu6N
スタート時間前にはどの選手も練習ラウンドで熱心に最後の調整に入ります。
選手達が出てくると大きな拍手が起き上がりますが、石川や松山にもたくさんの拍手がありました。そして私は、選手と一緒に大きなクラブバックをしょって戦っているキャデイーさんに拍手を送りたい。
3日目が終わり出口へ向かう途中で、ボランテイアの方々がバケツを持ってグリーンの方へ向かっていました。バケツの中を見せていただくと砂が入っていました。今から明日の為に砂で補修をする為でした。この方達の裏方があって選手達が戦えるんですね。
カメラを持ち込めないのでこの美しさをご覧頂けないのが残念です。
写真の変わりに下記のサイトをご紹介します。
http://www.masters.com/en_US/
ゴルフをしない私も充分楽しめたオーガスタでした。
チケットは観戦が終ると必ず返さなくては行けません。記念に欲しかったのですが駄目でした。ちょっとぼけていますが記念に写真に納めました。
来年からマスターズでは抽選で安いチケットを提供するという情報を手に入れました。上記のサイトのticketsをクリックすると申し込めます。
抽選に当たれば、航空チケットとホテルを手配だけです。
来年マスターズ観戦チャレンジしてみては如何でしょうか?
世界で一番人口の多い団塊の世代・1947年生まれの好奇心いっぱいの獅子座です。
忘れた頃の5人目で、比較的自由に育ちました。生まれは熊本・小中学校時代は下関ですから育ちは下関かも知れない。存在感のない子供でした。親からも同級生からも忘れられることが多かったので、気ままにテクテク歩いたりラジオ・テレビに興じたりしていました。今の生活にそんな育ち方が反映しているかも知れません。
運動神経の悪かった私は歩きというスポーツを見つけて20年すっかりアルチュウ(歩く中毒)になっています。社会性に乏しい割にはここ10年位は旅仲間と4~10人くらいで海外旅行を楽しんでいます。