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ちあきの星空コラム

第139回 凍てつく星空をながめる (2015/02/18)

凍てつく星空をながめる

冬の星見は昼間の野外とちがって格段に寒さを感じます。
でも、その分、夜空は黒く引き締まり、星はキラキラと輝き、美しさはより一層増します。特に、冬の星座の中には四季を通じて1等星がいちばん多く見られる季節ですから、ふと星空を眺めた時でも多くの星があるように感じます。
凍てつく夜空ほど、星々はきりっと引き締まり、星を見る人たちを楽しませてくれますから、寒い中でも星見を楽しみましょう。

冬空に輝く星々

冬空に輝く星々

防寒対策をしっかりと!

筆者の星見スタイル

筆者の星見スタイル

自宅のベランダからちょっと星空を眺める程度であれば暖かくした部屋にすぐに逃げ込めるので、あまり寒さ対策をする必要もありませんが、お出かけして星見の場合は、十分に防寒対策が必要です。
ダウン入りのコートや厚手の靴下、手袋といったことに加え、防寒用帽子、マフラーそれにカイロやマスクなど、しっかりと準備してお出かけしましょう。
付近にある公園や河川敷といった星見に適するところは、風も強かったり、とにかく逃げ込むところがなかったりで、身体が芯から冷えてしまうと星を見る気力も褪せてしまいますので要注意です。

ラブジョイ彗星が見える!

ラブジョイ彗星が見えています。1月中旬に地球に最も接近したのち、少しずつ遠ざかりつつありますが、それでも1月下旬で明るさが5等級で見え、双眼鏡(7×50など)を使えば恒星と異なったぼやっとした彗星独特のかたちで見るました。
1月にはおうし座のプレアデス星団付近に見られましたが、2月にはアンドロメダ座付近に見られます。日々地球から遠ざかっていきますから、だんだんと暗くなり、見えにくくなってきますが、双眼鏡を使ってぜひ探してみましょう。

1月13日に撮影したラブジョイ彗星

1月13日に撮影したラブジョイ彗星

宵の空に金星が見られる

金星が宵の明星として見えています。
あまり高度が高くないので、西の空が低空まで見られる場所で、日没後暗くなる中、一番星で見られますので、確認しましょう。
付近には火星も見られ、加えて2月21日には細い月がそれに加わり美しい光景が見られるかもしれません。

夕空に輝く金星と火星の姿をぜひご確認ください

夕空に輝く金星と火星の姿をぜひご確認ください

2月の天文情報

曜日月齢天文現象など
11.6
12.6
13.6節分
14.6満月 立春(二十四節気)
15.6
16.6月の距離が最遠  しし座58番星の食
17.6木星が衝 月が赤道通過(南半球へ)
18.6
19.6木星の衛星ガニメデがエウロパを隠す(皆既食)
1020.6
1121.6建国記念の日 木星の衛星エウロパの影にイオが入る(金環食)
木星の衛星カリストの影にガニメデが入る(金環食)
1222.6下弦の月
1323.6月と土星が接近
1424.6
1525.6月の赤緯が最南
1626.6
1727.6
1828.6木星の衛星エウロパがイオを隠す(部分食)
木星の衛星エウロパの影にイオが入る(金環食)
190.1新月 雨水(二十四節気)  月の距離が最近
201.1
212.1細い月と金星、火星が最近 月が天の赤道を通過(北半球へ)
223.1金星と火星が接近
234.1
245.1木星の衛星ガニメデの影にエウロパが入る(部分食)
256.1水星が西方最大離隔
267.1上弦の月 木星の衛星エウロパの影にイオが入る(金環食)
278.1月の赤緯が最北
289.1

2月の星空

つくばを含む関東地方は冬の晴天率が高いので、星座さがしにはもってこいの季節といえますが、寒さもひとしおです。
防寒を十分に行って、星座早見や星図を片手に星座をさがしましょう。
天頂付近にぎょしゃ座、おうし座、ふたご座などをさがし、みなみの空にもっとも目立つオリオン座、こいぬ座おおいぬ座をみつけ、さらにオリオン座の南には小さなうさぎ座をみつけましょう。
おおいぬ座の主星シリウスはその輝きが見とれてしまうほどの明るい輝きですからぜひ眺めてみましょう。
なお、双眼鏡を使うとおうし座のプレzです星団(すばる)、オリオン星雲それにふたご座やぎょしゃ座の散開星団などをみつけることもできます。

2月の星空(背景黒)

2月の星空(背景黒)

2月の星空(背景白)

2月の星空(背景白)

2月の中旬、午後9時ころの星空です。月の位置及び月明かりの影響は略しています。画面をクリックすると大きな星図を見ることができます。
このコラムに用いている星図やシミュレーション画像は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ10」を使用しています。
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。

この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。

最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。

主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。