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ちあきの星空コラム

第138回 ダイヤモンドをみつける (2014/12/26)

ダイヤモンドのような星々の輝き

つくばを含む関東地方一帯の冬のお天気は比較的快晴の夜が多く、四季を通じてもっとも星を見るのに好都合な時期といえます。
西高東低の気圧配置のときは日本海側は雪が降ることが多いのですが、太平洋側の地域では、からっ風とともに晴天がやってきて星空を望むチャンスとなります。
寒い季節ではありますが、ジェット気流のおかげで星がまたたいて見え、明るい星はより明るく、まるでダイヤモンドのようにキラキラと美しく輝き、星や星座を眺める楽しみをより一層楽しいものにしてくれます。
満天の星空の中に星座をみつけていくと、星と星を結んで物語の主人公の人物や動物などの姿が浮かんできます。
冬の星座をみつけ1等星などの主要な星を識別できるようになったら、星空に描くもっと大きな図形を確認しましょう。
それは、冬の六角形(ウインターヘキサゴン)と呼ばれ、別名、冬のダイヤモンドとも呼ばれています。
星の配列を見て楽しむ醍醐味をぜひあなたも味わってみましょう。

本物の星空で星座や冬の六角形をぜひ確認しましょう

本物の星空で星座や冬の六角形をぜひ確認しましょう

1月2日には月がヒヤデス星団の中に入る

おうし座の中には、すばる(プレアデス星団)とともにヒヤデス星団が有名ですが、この星団の中に月齢11の月がすっぽり入る現象が1月2日の夜に見られます。
ヒヤデス星団は1等星のアルデバラン付近の星の集団ですから肉眼でもみつけられる大きな星団で、この日は月がアルデバランのすぐ近くを通ります。
また、1月3日にはおうし座119番星が月に隠される現象もあります。月に隠される現象(えんぺいまたは星食と呼びます)は、天体望遠鏡が必要になりますが、天体望遠鏡のある方はぜひ観測してみましょう。

1月4日にはしぶんぎ座流星群が見られる

毎年1月4日はしぶんぎ座流星群が見られます。
今年は月齢13の月明かりがありますが、月を視野の中に入れないように夜空を見上げ、流星の出現を確認しましょう。
寒い時期の観測となりますので、防寒対策を十分にしてお楽しみください。

1月の天文情報

曜日月齢天文現象など
10.1元旦
11.1月がヒヤデス星団の中を通過
12.1おうし座119番星の星食
13.1しぶんぎ座流星群の極大  月の赤緯が最北
14.1満月
15.1小寒(二十四節気)
16.1
17.1
18.1
1019.1木星の衛星エウロパがイオを隠す(部分食)  月の距離が最遠
1120.1水星と金星が接近  月が天の赤道通過(南半球へ)
1221.1成人の日
1322.1下弦の月
1423.1
1524.1水星が東方最大離角(夕方の西空で見ごろ)
1625.1
1726.1月が土星に接近して見える  木星の衛星エウロパの影にイオが入る
1827.1月の赤緯が最南
1928.1
2029.1新月 大寒(二十四節気) 
210.6
221.6細い月と金星が並ぶ  月の距離が最近
232.6細い月と火星が接近
243.6月が天の赤道を通過(北半球へ)
254.6木星の衛星カリストの影にイオが入る
265.6うお座σ星の食
276.6上弦の月
287.6
298.6木星の衛星ガニメデがイオを隠す
309.6
3110.6月の赤緯が最北

1月の星空

晴天率の高い1月は、ぜひ夜空を眺め、星座探しを行いましょう。
冬の星座の代表格はオリオン座で、誰もが見てその配列がすぐに覚えられる三ツ星が特徴です。赤いベテルギウスと白いリゲルの1等星2個を配したその姿は印象的で、他の星座を知らない人でもオリオン座だけはみつけられるとよくいわれています。
オリオンと立ち向かうような姿のおうし座は、プレアデス星団(和名:すばる)とヒヤデス星団を持ち、双眼鏡での星空観望の絶好の対象です。
ぎょしゃ座は天高く主星カペラが黄色く輝き、五角形の配列が特徴的です。
おおいぬ座は星座というよりもその主星シリウスが-1.4等星という恒星で最も明るく輝いて見られる星なので、良く知られた存在です。
ほかにもふたご座、うさぎ座などの星座があります。星座早見や星図を使って探してみましょう。

1月の星空(背景白)

1月の星空(背景白)

1月の星空(背景黒)

1月の星空(背景黒)

1月の中旬、午後9時ころの星空です。月の位置及び月明かりの影響は略しています。画面をクリックすると大きな星図を見ることができます。このコラムに用いている星図やシミュレーション画像は、㈱アストロアーツの許諾を受け、天文ソフト「ステラナビゲータ10」を使用しています
田中千秋氏の略歴

田中千秋(たなかちあき) 男
1953年大分県生まれ

子供の頃、オリオン座の日周運動に気がついたことから星に興味をもち、その後、中学生時代に天体望遠鏡を自作して天体観測や天体写真撮影を始め、以来、現在まで天体写真を継続して撮り続けている。

この間、各天文誌の天体写真コンテストに入選。天文雑誌での天体写真撮影の啓蒙記事を幾度も連載、また、天文雑誌「星ナビ」の前身である「スカイウオッチャー」誌でのフォトコンテストの選者もつとめた。

最近は、各地の星まつり等における天体写真コンテストの選者をつとめたり、天体写真教室や観望会の講師をつとめるかたわら、仲間と共同で建設した天体観測所(千葉県鴨川及び長野県東部町)や神津牧場天文台(群馬県下仁田町)に天体観測に出かけている。

主な著書に、「図説天体写真入門」、「図説天体望遠鏡入門」(いずれも立風書房刊)がある。
茨城県龍ヶ崎市在住。